執筆: 魚住琢(株式会社SAL代表取締役) / 東京・五反田 / SNS常駐支援の提供会社 / 貝印・霧島酒造・横河電機・Oakley・adidas outdoorなど中堅・大手企業への支援実績
SNS運用代行の費用を調べると、月額10万円台から100万円超まで幅があり、「何が違うのか」が見えにくいものです。中堅企業の経営企画・マーケ責任者にとって難しいのは、「投稿本数の差」ではなく、「自社の売上・問い合わせ・採用・社内承認にどこまで効く支援なのか」を見極めることです。
この記事では、SNS運用支援の費用相場を5つの価格帯に分けて整理します。特に、月額40万円以上の支援を検討すべき企業と、そこまで払わなくてよい企業の違いを明確にします。各価格帯で任せられること、安く見えても避けるべき提案、ROIの見方、AIで補えるところ/なお人が必要なところ、月額40万円〜の常駐支援が向く企業像が分かります。
用語の整理:本記事では、投稿作業や制作を外注する形態を「運用代行」、戦略設計・会議同席・部門間調整・社内合意形成まで含む支援を「常駐支援」と呼び分けます。
SNS運用支援の費用相場はいくらか?

SNS運用支援の相場は、「投稿作業を外に出す費用」から「事業判断を伴走してもらう費用」まで、大きく5段階に分かれます。同じ「SNS運用代行」でも、月額10万円と月額50万円では買っているものが違います。月額10万円帯は投稿作業の補助、月額40〜50万円帯は戦略設計・会議同席・社内合意形成・KPI設計を含む常駐支援、月額100万円以上は広告やPRまで含めた統合支援に近くなります。
| 月額 | 主な提供内容 | 想定発注先 | 向いている利用シーン |
|---|---|---|---|
| 10万円前後 | 投稿代行・簡易レポート | 個人・小規模代理店 | 社内に戦略担当がいて、作業だけを外に出したい場合 |
| 25万円前後 | 企画+投稿+月次レポート | 中小代理店 | ブランドアカウントの見た目や更新頻度を整えたい場合 |
| 40〜50万円 | 戦略設計+常駐支援+制作+分析 | 専門特化型支援会社 | 年商10〜100億円規模の中堅企業がSNSを立ち上げ・再構築する場合 |
| 60〜80万円 | 上記+広告運用・キャスティング・複数チャネル | 総合代理店・専門会社 | 複数SKU・複数ブランド・複数チャネルを同時に動かす場合 |
| 100万円〜 | 戦略コンサル+制作+広告+PR連動 | 大手代理店・コンサル | 全社ブランド戦略や統合マーケティングとしてSNSを扱う場合 |
中堅企業の場合、発注の成否を分けるのは「月に何本投稿してくれるか」だけではありません。むしろ重要なのは、商品部・営業部・広報部・経営企画の間で異なる目的を整理し、SNSを事業KPIに接続する判断材料を誰が作るかです。
各価格帯では実際に何が得られるのか?
月額10万円帯で任せられる範囲はどこまでか?
月額10万円帯で任せられるのは、SNSの手を動かす作業であり、戦略判断まで期待する価格帯ではありません。
主な提供内容は、投稿スケジュール管理、画像のリサイズ、定型キャプションの作成、予約投稿、月末の簡易レポートです。たとえば、社内のマーケ責任者が「今月は既存商品の認知を広げる」「採用広報として社員紹介を出す」と判断できており、外部には制作や投稿設定だけを任せたい場合には機能します。
注意点は、社内にSNS戦略を握れる人がいない状態で発注すると、「毎週投稿はされているが、売上・問い合わせ・採用のどれにもつながっていない」という状態になりやすいことです。月額10万円帯は安いのではなく、任せられる範囲が明確に狭い価格帯です。
月額25万円帯で投稿品質はどこまで上がるのか?
月額25万円帯では投稿の見た目や企画品質は上がりますが、事業KPIへの接続までは弱いケースが多くなります。
この価格帯では、月1回程度の企画会議、一定数の投稿制作、簡易的な分析レポートが含まれることが増えます。ブランドアカウントを整えたい、更新頻度を落としたくない、社内担当者の制作負荷を下げたいという目的には向いています。
一方で、担当者が複数社を兼務している場合、貴社の粗利構造、販売チャネル、決裁ライン、営業現場の温度感まで踏み込んだ提案は難しくなります。年商10〜100億円規模の企業が「SNSを売上・問い合わせ・採用に接続したい」と考えるなら、この価格帯だけでは意思決定支援が不足する可能性があります。
月額40〜50万円帯でなぜ常駐支援が必要になるのか?
月額40〜50万円帯で買うべき価値は、投稿制作そのものではなく、SNS施策に関する意思決定支援と社内判断を前に進める伴走です。
40万円を超えると、支援の中心は投稿物から、戦略設計・会議同席・部門間の利害調整・経営層への説明支援に移ります。たとえば、商品部は販売数、営業部は商談化、広報部はブランド毀損リスク、経営企画は費用対効果を見ている場合、誰かが「今期は何を優先するのか」「SNSではどのKPIを追うのか」「出さない方がよい情報は何か」を整理する必要があります。
この帯の価値は、投稿数では測れません。むしろ「投稿しない判断」「承認されやすい企画への翻訳」「炎上リスクの事前回避」「社内稟議を通すための説明設計」にあります。SALのSNS常駐支援も、この月額40万円〜の領域に位置します。なお、投稿本数は固定しませんが、初期設計時に月ごとの制作範囲・会議頻度・検証テーマは合意したうえで進めます。
月額60〜80万円帯はどんな企業に向いているのか?
月額60〜80万円帯が向いているのは、複数チャネルや広告・キャスティングまで同時に動かす企業です。
複数のSNS、広告配信、キャスティング、UGC施策、キャンペーン設計まで含めると、この価格帯は現実的です。複数SKUや複数ブランドを抱える企業では、チャネルごとの役割を明確にしたうえで発注すれば、認知・比較検討・問い合わせ・採用広報を分けて設計しやすくなります。
注意すべきは、自社にとってどのチャネルが事業KPIに近いのかが決まっていない段階でこの帯に進むと、制作物と会議体だけが増え、費用対効果が見えにくくなる点です。中堅企業の場合、最初からすべてを運用するより、優先チャネルを絞って3〜4ヶ月単位で検証する方が実務上は安全です。
月額100万円以上は中堅企業にも必要なのか?
月額100万円以上が必要になるのは、SNS単体ではなくブランド戦略・広告・PRまで統合して外注する場合です。
この価格帯では、経営層向けの戦略提案、ブランド全体の再設計、広告・PR・SNSの統合プランニング、複数部署を巻き込むプロジェクトマネジメントまで含まれます。大規模ブランドや複数事業を横断する案件では、妥当な選択肢になり得ます。
一方、年商10〜100億円規模の中堅企業がSNSの立ち上げや再構築を目的にするなら、最初から100万円以上をかけるより、40〜50万円帯で事業接続と運用体制を固める方が現実的です。まず「何に効かせるSNSなのか」を決めてから、広告や複数チャネルへ広げる順番が失敗しにくいです。
安く見えても買ってはいけないSNS運用支援はどう見分けるか?

危険なのは安い提案そのものではなく、価格に対して提供範囲を広く見せすぎている提案です。SNS運用支援の失敗は、価格よりも期待値のズレから起きます。発注前には、次の3つを確認してください。
- 10〜15万円で「戦略から伴走します」と言う提案:戦略担当の人月単価から逆算すると、実務上は継続的な伴走が難しい価格帯です。多くの場合、定例レポートと投稿運用が中心になります。
- 25万円帯で「コンテンツ本数50本/月」と訴求する提案:本数が多すぎる提案は、テンプレート量産や品質を犠牲にした切り抜き運用になりやすいです。本数よりも、どのKPIを改善するための投稿なのかを確認すべきです。
- 40万円帯で担当者が契約前に分からない提案:常駐支援の本質は「誰が判断材料を整理するか」です。契約後に担当者が決まる提案では、実態が25万円帯の投稿運用に近づくリスクがあります。
稟議前には、「制作本数」「会議頻度」「レポート形式」だけでなく、「誰が、どの会議に入り、どの判断を担うのか」まで確認してください。ここが曖昧な提案は、後から社内調整コストが発注者側に戻ってきます。
SNS運用支援のROIは何で判断すべきか?
SNS常駐支援のROIは、1投稿あたりの単価ではなく、意思決定スピード・社内承認率・事業KPI接続率で見るべきです。
稟議書を書く際、多くの企業が「月20投稿で月額40万円なら、1投稿2万円」といった投稿単価で比較します。しかし、この見方では常駐支援の価値を正しく評価できません。常駐支援の価値は投稿物だけでなく、投稿前後の判断にあるからです。
中堅企業のマーケ責任者が見るべき指標は、次の3つです。
- 意思決定スピード:SNS施策が企画から承認、制作、公開まで何日で進むか
- 社内承認率:提案された施策のうち、実際に承認・実行された割合
- 事業KPI接続率:SNS指標のうち、売上・問い合わせ・採用・来店・資料請求などに接続している指標の割合
たとえば、月額25万円で投稿数を増やしても、社内承認に毎回3週間かかるなら、施策の鮮度は落ちます。逆に、月額40万円の常駐支援によって、企画から公開までの期間が20日から7日に短縮され、営業資料や採用広報にも転用できるなら、投稿単価では見えないROIが生まれます。成果が見え始める目安は、開始から3〜4ヶ月目です。
AIで補えるところ/なお人が必要なところは何か?

生成AIの普及により、SNS運用の作業領域は確実に効率化されます。一方で、月額40万円〜の常駐支援が担う領域は、AIだけでは置き換えにくく、むしろAIを使いこなす前提でこそ価値が上がります。重要なのは、AIを使うか使わないかではなく、AIで出した選択肢を、どの事業目的に照らして採用・修正・却下するかです。
AIで作業コストを下げられる領域はどこか?
AIで効率化できるのは、キャプション初稿の生成、画像・動画素材のラフ案作成、コメント・DMの一次分類、競合投稿のトレンド抽出、定例レポートのドラフト化です。これらは「型がある作業」であり、人が0から書くよりAIで叩き台を作る方が早くなります。
結果として、月額10〜25万円帯の運用代行が提供してきた価値の一部は、社内でAIを使えば代替可能になりつつあります。中堅企業がこの帯の外注を続ける合理性は、徐々に弱まっていきます。
AIに任せられない判断領域はどこか?
一方、AIに任せにくいのは、事業KPIへの接続判断、部門間の利害調整、経営層への説明・稟議設計、炎上リスクの事前判断、ブランド毀損につながる表現の最終承認です。これらは、社内事情・人間関係・事業優先順位の文脈を読み解く必要があり、外部から見える情報だけでは判断できません。
たとえば、AIが生成した投稿案を「今期の販売方針と整合するか」「営業現場が嫌がらないか」「広報基準に抵触しないか」で判断するのは、依然として人の役割です。
AI時代に常駐支援の価値はどう変わるのか?
AIによって作業コストが下がるほど、「何を作るか」「なぜ出すか」「どう社内を通すか」を整理する判断の価値は相対的に高まります。AIを使える人がいる組織ほど、人の判断密度が上がり、常駐支援の役割は「投稿を作る」から「事業判断に併走する」方向へさらに移ります。
SALのSNS常駐支援(月額40万円〜・最低6ヶ月)は、この「AIで作業は軽くなるが、判断は社内で担いきれない」中堅企業を主な対象としています。AIを排除するのではなく、AIを使う前提で、事業接続と社内合意形成の判断を担うのが現在の常駐支援の位置づけです。
SALのSNS常駐支援はどの位置づけか?
株式会社SALのSNS常駐支援は、月額40万円〜・最低6ヶ月の契約形態で、年商10〜100億円規模の中堅企業を主な対象としています。投稿本数は固定せず、戦略設計・会議同席・社内調整・KPI接続・制作・分析までを一気通貫で担います。ただし初期設計時には、月ごとの制作範囲・会議頻度・検証テーマを合意したうえで進めます。
これまでに貝印・霧島酒造・横河電機・Oakley・adidas outdoorなどの中堅・大手企業の支援に携わってきました。共通しているのは、複数部門の利害を整理しながら、SNSを事業KPIに接続する判断材料を社内に残していくことです。成果が見え始める目安は、開始から3〜4ヶ月目です。
逆に、すでに社内に戦略担当者がいて投稿作業だけ外に出したい場合は、月額10〜25万円帯の運用代行の方が合います。SALの常駐支援は、「社内で判断を担いきれず、SNSが事業に接続していない」中堅企業向けの選択肢です。
よくある質問
月額40万円〜の常駐支援と、月額25万円の運用代行はどう違うのか?
月額25万円帯は投稿物の制作と更新が中心です。月額40万円〜の常駐支援は、戦略設計・会議同席・部門間調整・社内合意形成・KPI設計まで含みます。買っているのは「投稿」ではなく「判断材料」と「社内を前に進める伴走」です。
なぜ最低6ヶ月の契約が必要なのか?
SNS施策の成果が見え始める目安は、開始から3〜4ヶ月目です。最初の1〜2ヶ月で事業理解・KPI整理・社内体制設計を行い、3ヶ月目から検証、4ヶ月目以降に成果接続が見えてきます。3ヶ月以内の短期契約では、判断材料が揃う前に終わってしまいます。
AIで運用代行が安くなるなら、常駐支援の費用も下がるのか?
作業コストはAIで下がりますが、常駐支援の中心である事業判断・社内合意形成・リスク判断はAIに置き換えにくい領域です。むしろAI活用前提の組織ほど、判断密度が上がり、常駐支援の価値は維持または上昇する傾向にあります。
投稿本数が固定でないと社内稟議が通しにくい。どうすればよいか?
初期設計時に、月ごとの制作範囲・会議頻度・検証テーマを合意します。そのうえで、「投稿数」ではなく「意思決定スピード」「社内承認率」「事業KPI接続率」を稟議書のROI指標に置くと、常駐支援の価値を社内に説明しやすくなります。
内製化と外注はどう判断すべきか?
社内に「事業KPIとSNSを接続できる判断者」がいるなら、作業はAI+社内+安価な運用代行で十分です。判断者がいない、もしくは複数部門の調整に時間を取られている場合は、常駐支援で判断材料の整理と社内合意形成を外部から担保する方が現実的です。
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お問い合わせ・ご相談
月額40万円以上の常駐支援を検討すべきか、内製化+AIで足りるかを整理したい方は、株式会社SALまでご相談ください。事業KPIとの接続、社内体制、現状の外注内容をうかがったうえで、最適な支援形態をお伝えします。営業的な押し売りはいたしません。
- サービス:SNS常駐支援(月額40万円〜・最低6ヶ月・成果が見え始める目安は3〜4ヶ月目から)
- 会社:株式会社SAL
- 所在地:東京都品川区五反田
- 支援実績:貝印・霧島酒造・横河電機・Oakley・adidas outdoorなど
